当院の舌側矯正の治療システム
当院における舌側矯正の治療開始までの流れ
検査(レントゲンCT撮影、歯型印象、顎機能検査、顔と口腔内の写真撮影) | |
一週間後 | 採取したデータを計測し、セットアップ模型を作製します。 |
検査結果、治療方針の説明 | |
一週間後 | リンガルコアの作製を行います。 |
装置(ブラケット)の装着、治療開始 |
以下が当院の舌側矯正リンガルコアシステムです。
1.セファロレントゲン、咬合器模型、顔写真を同じ規格で記録します。
セファロレントゲン、顔写真、歯型模型を採取します。歯型模型に関しては必ずフェイスボーを使用し半調節咬合器にマウント(付着)することで、上下の歯列と顎関節の位置関係を半調節咬合器上で正確に再現できます。
2.セファロレントゲンを計測し歯の位置、歯の傾斜、咬合や骨格を分析します。
セファロレントゲンを計測することで、例えばその患者さんの上顎や下顎、上下の前歯、オトガイ等が平均値と比較してどの程度突出しているのか、または引っ込んでいるのかが具体的に数値でわかります。また、上下の前歯の傾斜や咬合平面の傾斜の程度についても具体的に数値でわかります。
3.歯の大きさや歯槽骨の大きさを計測します。
上下の歯の大きさを計測していきます。これによってその患者さんの歯の大きさが平均値と比べて大きいのか小さいのかがわかり、それによっていろいろな予測ができます。(例えば、左右で歯の大きさが違う場合、歯を並べたとき、上下の前歯の中心が合いません。例えば、上の歯は大きく、下の歯は小さい場合、上下の前歯が噛み合いません。こういう場合、その患者さんに応じた対策が必要となります。)
4.患者さんの顎の動きを記録し、咬合器上で患者さんの顎と同じ動きを再現できるようにします。
顎機能検査を行うことで、左右の顎関節の動く方向や角度のデータが得られます。その得られたデータに合わせて半調節咬合器のメモリを調節します。これによって、咬合器上でその患者さんの顎の動きを再現できます。
5.検査結果を元に理想的機能的な咬合を考慮したセットアップ模型を作ります。
半調節咬合器上でセットアップ模型(予測模型)を製作していきます。セファロレントゲン計測、歯冠幅計測、顎機能検査で得られた数値を元に理想的な咬合平面の再構成を行い、上下の歯の前後的位置やそれぞれの歯の傾斜角度を決定しながら歯を並べていきます。
下写真は正常咬合のモデル模型です。
前歯は基本はまず3番をしっかり噛み合わせます。 上下の4前歯(2,1,1,1)の歯冠の大きさが正常であれば青線の位置でしっかり咬合し、これが理想です。 しかし、実際には上の2番が矮小歯(細く小さい歯)であったり、上の1が巨大歯であったり、下の前歯が1本生まれつき欠損していたりすることがありますので、その患者さんに応じた対応が必要です。 | |
奥歯は上下の歯が半分ずれて噛み合い、1つの歯が2つの歯と当たるようにします(1歯対2歯咬合といいます)。上下の4番を抜歯した場合も上の4番だけを抜歯した場合も1歯対2歯咬合にします。非抜歯希望の患者さんや部分矯正希望の患者さん等では1歯対2歯咬合を作れない場合もあります。 |
6.完成したセットアップ模型を咬合器上で動かし機能的であるかチェックします。
側方運動時のガイダンスの確認をします。
患者さんの顎関節と上下歯列の位置関係が正確に位置付けされ、正確な顎運動が再現できるように調整された咬合器上で犬歯誘導を確認します。セットアップ模型のすべての歯の傾斜角度や咬合平面は顎関節の動きとスムーズに調和していなければなりません。
7.歯を動かすことによる顔、口元の変化をチェックします。
理想的機能咬合を確立したセットアップ模型が完成すると、治療前後での上下の前歯の位置の変化量を計測します。それをシミュレーションソフトに入力するとその患者さんの治療後の口元の予想写真を作ることができます。
8.セットアップ模型にブラケットを着け、リンガルコアを作製します。
仕上がったセットアップ模型の歯列に調和するアーチファイヤー(ジグ)を作製し、そのアーチワイヤーが適合するようにブラケットを模型の歯に貼り付けていきます。このセットアップ模型の歯に対するブラケットと同じ位置で、患者さんの本物の歯にブラケットを接着し、同じ形のアーチワイヤーをセットすれば患者さんの歯列はセットアップ模型と同じになります。セットアップ模型でのブラケットの位置を記録し口腔内で再現するためリンガルコアを作製します。
9.リンガルコアを使いブラケットをセットすれば、セットアップ模型で構築した咬合を患者さんのお口の中で再現できます。
ブラケットとワイヤーのセット
リンガルコアを使用してブラケットを接着(ボンディング)することをインダイレクトボンディングといいます。